かつて駅の改札のなかにある店といえば、立ち食いそば屋やキヨスクなどの小さな売店くらいのものだった。ところがいまや「駅ナカビジネス」と呼ばれるほどに店が増え、改札内はすっかり様変わりしている。
たとえば、JR渋谷駅の山手線外回りホームでひときわ目立つのが、日清食品が展開している『日清のどん兵衛屋 渋谷駅ナカ店』だ。
22席ある店内には北海道や東北限定商品など、全国各地で売られるカップ麺の『どん兵衛』約20種類が1食200円でメニューに並ぶ。
「東日本と西日本ではダシが違うとは聞いていたけど、こんなに種類があったなんて驚き。“お持ち帰り”もした」(30代・会社員男性)
一方、線路をはさんだ内回りホームには、『日清ラ王袋麺屋』がある。
ここでは袋麺『日清ラ王』の醤油味と味噌味を家庭と同じ調理法で調理し、醤油味は仕上げにチャーシュー、煮玉子、ネギなどのトッピングをのせ、250円で提供している。
「電車のホームでは立ち食いそばなど、短時間で食事を済ませようとするニーズがある。“短時間で手軽に美味しく”という点において、即席麺は親和性が非常に高い」(日清食品・広報部)
10席しかない店舗前には、1日中行列が途切れないほどの人気ぶりだ。
※週刊ポスト2013年4月12日号