朝鮮総連本部を落札した鹿児島の宗教法人「最福寺」の法主・池口恵観氏(76)は、安倍首相とも親交がある。こちらの接点は、安倍首相の母・安倍洋子さんが池口氏に心酔したことから始まるという。「安倍氏の関係者が山口から鹿児島まで毎月のように訪れ、まだ当時若かった晋三さんが首相になれるよう、祈りを捧げた」とは最福寺関係者。
2007年に首相を辞任した際には体調不良に苦しむ安倍氏にいったん政権を禅譲することを進言したという。
「昨年、9月に安倍首相が再び自民党の顔に返り咲いた際には、石原伸晃、石破茂ら居並ぶ有力候補者に対して尻込みする安倍ブレーンがいるなか、〈運気は負けてない〉と叱咤激励のメッセージを送ったのが池口さんでした。第一次政権時から現在まで安倍さんの体調維持を祈祷しているそうです」(同)
そんな両者の関係だけに今回の落札劇を訝る声も多い。大手紙の政治部記者はいう。
「安倍さんは表向き、北朝鮮への強硬路線で通しているが、核ミサイルを備えつつある北朝鮮とのパイプは残しておきたいのが本音。事実上の北朝鮮の大使館である朝鮮総連本部を消滅させることはリスクにも繋がります。かといって朝鮮総連の息のかかった企業が落札しては面子が立たない。政府は総連本部の行く末について頭を悩ませていた」
そんな難局に手を挙げたのが池口氏だったというわけだ。
※週刊ポスト2013年4月12日号