子供だけでなく、親も見られているというのがお受験だが、“親の離婚”が不利に働くこともあるという。お受験事情に詳しい教育評論家の深谷昌志さんが解説する。
「名門と呼ばれる私立幼稚園の場合、“うちはよいご家庭のお子さんをお預かりしています”というイメージをとても大切にするので、受験においても円満な家庭の子供を優先して合格させる傾向があります。受験時に両親が揃っているかどうかを気にするところは多いので、離婚協議中だとイメージが悪く、受験に不利に働くことがあります」
また入園前の3才前後の子供の場合、家庭の影響が性格形成にストレートに反映されやすく、両親の不仲がそこに暗い影を落としやすいという点も、選考時の材料になるという。名門になればなるほど、両親が離婚している子供の入学に対し、慎重になる傾向があるといわれる。
しかし、時代の変化により、幼稚園の対応も少しずつではあるが、変わり始めているようだ。お受験に詳しい安田教育研究所代表の安田理さんがこう話す。
「最近は母子家庭も多いし、女性ひとりでも充分な収入があり、子育てもできるキャリアウーマンが増えてきました。もちろん離婚にマイナス要素があることは確かですが、“離婚イコール受験に絶対不利”というわけではないんです」
シングルマザーが子供を有名幼稚園に入れるには、2つの条件を満たす必要があると安田さんは言う。
「まずは実家が近いこと。シングルマザーでも実家が近く、祖父母が子供の送り迎えをすることができれば、幼稚園側は問題にしません。2つ目は収入が安定していてきちんと学費が払えることです。母親の代わりに子供をサポートする人がいて、学費の支払いが滞らなければ、たとえ母親が離婚していても子供を合格させる幼稚園が増えています。もちろん、子供の躾がしっかりしていることが大前提ですけどね」
※女性セブン2013年4月11日号