中国に行くと、エッフェル塔からピラミッドまで、本物そっくりのコピー建造物が至る所に建てられている(もちろん本家には無断)。だが、ちょっとしたところが本物と違うように作っているのは、中国独自のオリジナリティということだろうか。
たとえば、写真で紹介するのは、ロンドンの観光名所「タワーブリッジ」を模倣した橋(江蘇省蘇州市)。ホンモノは2本の塔がそびえているが、こちらの塔は4本に倍増している。
結婚記念写真の撮影スポットとして利用されることが多く、取材時にはウェディングドレスとスーツに身を包んだ新郎新婦が、道路真ん中で愛のポーズ。その真横をトラックやタクシーがすり抜けていた。地元政府は「世界の著名な橋が集まる街づくり」を行なっており、世界各国のパクリ・ブリッジが密集している。
撮影■藤岡雅樹
※週刊ポスト2013年4月12日号