統一されたカラーを身に纏い、周囲を威嚇する「カラーギャング」と呼ばれる不良集団。2012年夏には、埼玉で「青」と「黒」の2つの対立するギャングがぶつかり合い、3月末までに大量の逮捕者を出すという事態が起きている。彼らは一体、何者なのか──。
埼玉県南部を拠点に活動する「赤ギャング」の現役メンバーに話を聞いた。
「ウチらは全員で30人ぐらい。15歳から18歳までで、ほとんど高校には行かず、大工や鳶として働いている。決まっていることは、毎週土曜日の夜9時に赤い服を着て集まって、街をウロウロして“もぐり狩り”をすること。ギャングでもないのにイキがった格好をしている、もぐりの奴らを見つけては有無をいわさずボコボコにする。それで18歳の年の大晦日に引退するのが、ウチらの流儀だね」
カラーギャングは、もともと全国にいた「暴走族」、渋谷や池袋など東京都心の繁華街を中心に活動した「チーマー」に続く、新しい不良集団のカテゴリーだ。1995~1996年に都心近郊に出現した。その“元祖”については諸説ある。
現在30代後半で、初期のカラーギャングを知る青ギャングOBはこう話す。
「最初は『青』だった。埼玉の大宮が発祥で、映画俳優もしていたアウトローのカリスマが仲間と一緒に立ち上げたんだ。彼が青い色のギャングファッションばかりを置いたショップ『L』を経営していたので、後輩が慕って身につけた。そして『青』は大宮から池袋、そして横浜へと広がっていった」
別の20代後半の黒ギャングOBは、最初は俺たちだと譲らない。
「池袋が元祖。当時、『Y』というギャングファッションの服屋があり、そこで『ディッキーズ』(彼らが好んで着たブランド)の白と黒のセットアップが売られていた。それを身につけたのがきっかけだったから、最初のカラーは白ギャングと黒ギャングさ」
※週刊ポスト2013年4月19日号