「野球中継は視聴率が取れない」というのは、本当だろうか。日本テレビ系で放映した開幕カードの巨人対広島(東京ドーム)3連戦の視聴率は、開幕戦13.0%、2戦目12.6%(いずれもナイター)、3戦目はデーゲームで7.9%。テレビ局関係者が解説する。
「昨今のゴールデンタイムの視聴率は、2桁に乗れば合格点、12%なら良くやったといわれるので、これは決して悪い数字ではないでしょう。特に最近は、金曜は日テレが2ケタ取れないことも珍しくないですから、逆に数字が良かったといえるのではないでしょうか」
1点を争う試合展開が続いたことも高視聴率の要因だろうが、今年はシーズン直前に野球の世界一決定戦・WBCがあったから、開幕戦の視聴率が上がったという見方もある。それならば、シーズンが続いていくと、視聴率も落ちていくのだろうか。
「たしかに、第1回、第2回のWBCが開催された2006年と2009年の開幕カードも前年の数字を上回っていました。それでも、テレビ視聴率全体が落ち込んでいるなかで出した13%という数字は、十分合格点といえるでしょう。巨人戦の放送が続けば、昔のような高視聴率は望めなくても、それなりの数字を残す潜在能力はあると思います」(同前)
とはいえ、地上波での野球中継は減少傾向にあり、日本テレビの地上波での今シーズンの巨人戦の中継予定は、25試合のみ(ナイトゲーム8試合、デーゲーム17試合。4月2日現在)。たまにしか中継がないと、ペナントレースがどういう状況か把握できていない視聴者も増え、視聴率も上がってこないのではないか、という声もある。別のテレビ局関係者が語る。
「もともと巨人戦の視聴率が落ちたのは、FA(フリーエージェント制度)で他球団から移籍してきた選手ばかり活躍したことにファンが嫌気を差したことも原因だと言われています。でも、今の巨人は、生え抜きの若手が中心になって勝っている。中継を続ければついてくるファンもいるはずです。今年は案外、期待できるかもしれませんね」