「アベノミクス」の影響で景気がよくなっているとはいっても、家計は一向に楽にならない…そんな悩みを抱える主婦に朗報です。2011年に一度はピークを迎えた金相場が、今再び上昇中。しかも、今度は2年前を上回る勢いなんだとか。そういえば、長いこと使っていないアクセサリーがあったっけ。“タンスの肥やし”をかき集め、今こそ換金のチャンス。早速鑑定してもらいました!
開店まもない11時半だというのに、待合室は人であふれていた。皆、なにやらそわそわしている様子。
今回、R40の女性セブン記者が訪れたのは、東京・銀座にある「ゴールドプラザ銀座本店」。最近、金の価格が高騰していると聞きつけ、友人の主婦A子とともに、ありったけの“金アイテム”をかき集めて、売りさばきにやってきたのだ。
店内を見渡すと、推定40~60代の客ばかり。きっと、青春の1980年代にカレにプレゼントしてもらったり、海外旅行の記念に買ったりして、そのままタンスの奥にしまっていたゴールドのアクセサリーを換金しに来ているのねー。ソファで順番待ちの女性に声をかけてみると、
「金が高いっていうニュースをテレビで見て来てみたの。昔買ったものが、どれくらいの値がつくのかと思って、試しに鑑定してもらいにね」(60代・主婦)
例えば、バブル真っ直中の1988~1989年の金相場は、1g2000円前後。その後は長らく低迷していたが、2005年頃から回復し始め、今年に入って5000円台を突破。これは、東京商品取引所の取引開始(1982年)以来、初めてのことだという。
なぜ、これほどまでに金相場が上昇したのだろう。貴金属アナリスト・亀井幸一郎さんがこう解説する。
「ここ5年ほど、人口が多い中国やインドの経済発展が目覚ましく、アジアで金に対する需要が高まっています。さらに、2008年のリーマン・ショック以降、何かあればただの紙切れになってしまう通貨や国債を持つことへの危機感が強まり、実物資産としての金の需要が高まっているのです」
実は、2年前にも金相場の高騰が話題になり、本誌はいち早くその状況をレポートした。その後、相場は一度落ち着きを見せたが、今年に入って再び急上昇。
「安倍政権が推し進める『アベノミクス』で、円安が進んだことが原因です。金の取引はもともとドルで行っていて、国内の金相場はそれを円に換算したもの。ドルに対して円が1円安くなると、国内の金相場は1gあたり約54円も高くなります」(亀井さん)
※女性セブン2013年4月25日号