ビジネス

「保険の見直し」のポイントはムリ、ムダ、ムラを無くすこと

“お金のお医者さん”として知られる「家計の見直し相談センター」の藤川太氏がお金に関する固定観念を解きほぐす『マネーポスト』連載「お金持ちの方程式」。今回は、家計の固定費削減の切り札となる「保険の見直し」を実践する際のポイントについて、具体的に解説する。

 * * *
 保険の見直しを実践していくポイントは「ムリ」「ムダ」「ムラ」の3つをなくすことにあります。

 まず「ムリ」というのは、たとえばこういうことです。結婚して子どもが2人産まれて、2人分の教育費などを考えて子どもが独立するまでずっと5000万円の死亡保障が得られる平準型の定期保険に加入する。しかし、子どもの成長に伴って必要な教育費はどんどん目減りしていきます。無理をして保険料を払い続けてまで5000万円を用意しておく必要がはたしてあるでしょうか。

 そこで平準型の定期保険ではなく、「収入保障保険」に切り替えるという手があります。これは契約者が亡くなった時点から満期まで年金形式で保険金が支払われるタイプで、たとえば40歳で60歳までの死亡時に月15万円が支給されるものに加入すると、50歳で死亡した場合は60歳までに計1800万円、55歳だと計900万円といった具合に徐々に保障額が減っていきます。

 つまり、保障タイプを「四角」から「三角」にするのです。それによって保険料も同じような保障の平準型定期と比べると約2分の1以下にまで抑えることができるので、それこそ無理をせず必要最低限の保障が得られるといえるでしょう。

 次に「ムダ」。多くの契約者の事例を見ていると、このケースが一番多い。保険会社のセールスでは、死亡をはじめ、病気やがん、介護などとさまざまなリスクを並べ立てて、ありとあらゆる保険の加入を勧めてきます。実際、そのようなセールストークに乗せられて、実にさまざまな保険に加入してしまう人が少なくありません。

 たとえば生保の介護保険には一生涯保障される「終身型」と一定期間保障される「定期型」がありますが、総じて終身型の保険料は高いため、掛け捨ての定期型に加入している人もいますが、これはやはり「ムダ」といえるでしょう。

 介護リスクというのはやはり高齢者ほど高いわけですから、若い頃の不安だけを解消するような保険はほとんど意味がありません。このようなムダな保険に加入していては、お金がいくらあっても足りなくなってしまいます。

 そして、意外に見落としがちなのが「ムラ」です。メインとなる死亡保障の保険に医療特約がついているにもかかわらず、単体の医療保険や医療共済などに加入したりはしていないでしょうか。よく考えてみたら重複する保障ばかりといったようなムラがないかどうか、お手元の保険証券を一度チェックしてみることをお勧めします。

 このように「ムリ」「ムダ」「ムラ」の3つの観点で見直したうえで、ぜひお勧めしたいのが、他の保険会社との比較です。

 保険料の自由化が進んだこの10数年で保険会社間の保険料には大きな差が出るようになりました。ほぼ同じ保障内容の平準型定期保険同士でも2~3割は保険料が異なりますし、さらに非喫煙者なら非喫煙健康体割引が受けられるタイプに加入すると、保険料を半分近くまで下げることも可能となります。

 いまやできるだけ多くの保険会社を見比べて、少しでも割安な保険を選ぶのが鉄則なのです。

※マネーポスト2013年春号

関連記事

トピックス

希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト