“ミスタープロ野球”こと長嶋茂雄氏(77・巨人軍終身名誉監督)と元巨人、ヤンキースの松井秀喜氏(38)に、国民栄誉賞が授与されることになった。特に、長嶋氏は、現役時代には天覧試合でのサヨナラホーマーをはじめ、数々の記憶に残るプレーを披露し、ファンを魅了。プロ野球を国民的スポーツにまで引き上げたのは、長嶋氏による功績が大きいだろう。
長嶋氏といえば、「成功は失敗のマザー」「サバという字は、魚へんにブルー」など、英語混じりの迷言を連発するなど、グランド内外でもファンを大いに楽しませてくれた。巨人監督時代の2000年9月、偶然、長嶋氏に遭遇したことのあるファンはこう話す。
「中日戦で江藤の同点満塁弾と二岡のサヨナラホーマーで巨人が優勝を決める数日前、早朝に多摩川沿いのグランドを、数人で歩いていると、ゴルフクラブを持った長嶋さんを見掛けたんです。勇気を出して、長嶋さんに大声で『監督! 僕、名古屋から来た巨人ファンです!』と叫んだんです。すると、長嶋さんが『名古屋ならドラ応援しなきゃ、ドラ』と返してくれて、みんな爆笑しましたよ。さすが、カメラが回っていなくても、ミスターは変わらない人なんだなと思いました」
『中日』でも『ドラゴンズ』でもなく、『ドラ』。これも、長嶋氏ならではの発言といえるのかもしれない。2004年、脳梗塞で倒れた後、リハビリを根気よく続け、かなり回復してきたミスター。5月5日には、巨人対広島戦(東京ドーム)の試合前に行なわれる松井氏の引退セレモニーにも登場する予定だ。