2007年ごろの話だが、韓国・ソウルの西大門警察署近くに「CHINKO」という店があった。なんでもシーフードビュッフェだそうだ。
一体CHINKOとは韓国語ではどんな意味なのか? 韓国人男性に聞いたところ「分からない。韓国語でそんな言葉はない」と言う。韓国語教師に聞いたところ「看板の左側に『親』と『Ko』という文字がありますね。これは造語だと思うのですが、『親しみのある韓国』という意味を表しているのでしょう。『親』の読み方は『CHIN』となりますね。看板の右側のハングルは『親』と『Ko』のハングル表記になります」と教えてくれた。
同氏は「『親しみのある韓国』を表現したかったものの、たまたま日本語の意味が分からなくてこんな造語を作ったのではないでしょうか」と語っている。ちなみにCHINKOの文字の下にあるハングルは「披露宴」や「トルジャンチ(子供が1歳になった時のお祝い)」などを意味していて、韓国語で「親しい」は(チナダ)と表記する。
最近新大久保界隈で、排外デモに対抗すべく掲げられているプラカードにあるチナゲチネヨというハングルは、直訳すると「親しく過ごそうよ」(意訳は「仲良くしようぜ」)になる。
さてこのレストランCHINKOだが、6年後の2013年に訪ねてみるとなんと、日本でも話題になっている「独島マグロ」(ドクトチャムチ)という店に様変わりしていた。どうやらCHINKOはつぶれたようだが、その理由が名前のせいだったかどうかは、もはや確かめようがない。ビルの外観も少しリニューアルされたようだ。
「独島マグロ」は同店のホームページによると、韓国内に250あまりの加盟店があるチェーンレストラン。竹島を模したトレードマークを堂々と使い、板前スタイルの店員が握る寿司やマグロの刺身などが食べられる人気店だが、「マグロ以外のメニューはイマイチ」という声もある。
ホームページによると「まずは基本のこれから」的なマグロ盛り合わせメニューが19000ウォン(1700円程度)、並寿司が10000ウォン(900円程度)となっている。