4月13日、兵庫県淡路島で発生した震度6弱の地震は、兵庫、大阪、香川、徳島の4府県で半壊34棟、一部損壊1939棟を記録した。現在、京都や大阪を震源とする直下型地震が活動期に入っているといわれている。
また、それ以上に危惧されるのが、静岡県沖から四国・九州沖にかけて伸びる浅い海溝(トラフ)を震源とする「東海」「東南海」「南海」の3連動地震である南海トラフ地震の発生だ。
「100年に1度のペースで発生するとされる南海トラフ地震ですが、その発生前にはいずれも関西地方の内陸で比較的大きな地震が頻発しているんです。もちろん、いつ発生するかはわかりませんが、今回の地震も広い意味で前兆のひとつといえるでしょう」(東海大学地震予知研究センター長・長尾年恭氏)
1854年に起き、いずれもM8.4の巨大地震だった連動地震、安政東海地震と安政南海地震では、その数か月前に今の三重県付近を中心にM7.2の伊賀上野地震が発生している。
現在、関西ではこの時と同じように1995年の阪神・淡路大震災に始まり、2000年に発生した鳥取県西部地震など、M6を超える大規模な内陸型の地震が今回を含めて7度も発生している。
3.11以後、国が最大でM9.1、32万人を超える死者数を試算する東海・東南海・南海巨大地震の恐怖。長尾氏はその危険が現実のものとなる可能性を示唆する。
「南海トラフを震源とする地震の中でも、887年に起きた仁和地震はトップクラスで大きいものとして知られているのですが、その直前には宮城沖で東日本大震災と同じ規模の貞観地震が発生しています。そのことから、東北沖で巨大な地震が起きた直後の南海トラフ地震は、より大きなものといわれているんです。
さらに、不気味なことに前回発生した南海トラフ地震は、それまでの地震に比べると小さなものでした(1944年、1946年に東南海、南海地域で起きた地震は最大震度6だった)。それだけ、今、震源域にエネルギーが溜まっているんです」(前出・長尾氏)
被害が少なかったからと安心することなく、むしろ今こそ巨大地震に対する警戒を強めなければならない時だ。
※女性セブン2013年5月2日号