目下絶好調といえるのがテレビ朝日。4月1日には、昨年度の平均視聴率が、ゴールデンタイム、プライムタイムで首位を獲得したと発表。開局以来初の視聴率「2冠」を達成したことで盛り上がっているが、他局との人材争いにおいては、ひとつ大きな波乱があった。
あるテレ朝幹部が声をひそめていう。
「実は来年度女子アナとして入社が内定していた秘蔵っ子を、フジテレビに奪われてしまったんです。内定当初は“私頑張ります!”とハキハキ話していたのに、フジテレビの採用が終わった頃、“すみません、やっぱり私フジテレビにいきます”と連絡が入ったらしい。上層部と人事関係者の落胆は相当なものです」
その内定者とは、永島優美さん(21)。あのガンバ大阪などで活躍したサッカー元日本代表のスポーツコメンテーター・永島昭浩氏の長女である。
有名人である父親の名前がなくても、実力・注目度は折り紙つきだ。現在、関西学院大学の4年生で、一昨年にはミス関学に輝いている。
昨秋からは、大阪・朝日放送の朝の情報番組『おはよう朝日 土曜日です』に出演していた即戦力だ。
「お父さんの血を受け継いでいるので顔は濃いが、ほんわりした美人。で、お父さんと違って噛まない(笑い)。テレ朝では早くから目を付けていたが、まさか落ち目のフジテレビに持って行かれるとは……。社内では“今からフジなんて時勢が読めていない”“お父さんのクビを条件に出されたか”なんて口をとがらせる人もいる」(前出・幹部)
永島氏はフジの『スーパーニュース』に出演している。父親の仕事先への配慮もあったのではないかといいたいのだろう。
3年前なら女子アナ志望者は、フジとテレ朝を天秤にかければ九割方がフジを選んだものだった。しかしその選択が今や驚きをもって迎えられるのだから、時代は変わったものである。
※週刊ポスト2013年5月3・10日号