塩麹ブームや健康面で多く活躍している乳酸菌など、最近は菌にまつわる話題が多く、こうした菌を活用して身体に良いことをする「菌活(きんかつ)」といったキーワードも出てきている。菌というと極小の世界で、顕微鏡などがないと見られないイメージがあるが、実際に目に見える菌も少なくない。菌類のうちで比較的大型なのは私たちにも身近な「きのこ」だ。スーパーなどの売り場から、野菜と思われがちだが、実は菌類。
お菓子のモチーフになったり、ゲームのキャラクターにもなるなど、形も愛らしいきのこ。繊維質が多く、カロリーも低いといったイメージが先行しがちだが、栄養素も豊富な食材だ。「菌活」にも詳しい、医学博士で管理栄養士の本多京子先生によると「私たちが食べているのは、子実体と呼ばれる菌の一部です。きのこは種類も豊富で、日本国内に自生しているものだけでも4000~5000種あるといわれています。
うまみ成分が豊富で低エネルギー、食物繊維、ビタミンDやB群・オルニチンなどの働きによって、美肌づくり、ストレス対策、ダイエット、免疫力維持、二日酔い予防、夏バテ予防、糖尿病対策や脳活性化といった、多彩な健康機能が期待される食材です」
最近は知っている人も増えてきたが、中華料理などによく使われる「キクラゲ」も実はきのこの一種。また秋のイメージが強いものの、一年中買えるきのこは身近な食材だが、意外性や奥深さも。そうした栄養豊富で、健康機能に期待が高いきのこの“美味しい&毎日の食事に使えるレシピ”を薬剤師の資格を持ち、栄養にも詳しい料理研究家・吉田三和子さんに教えてもらった。
【1】副菜にも肴にも「しめじときゅうりのナムル風」
材料:2人分
ぶなしめじ(石づきをとって) 80g/ぶなしめじ(白)(石づきをとって) 80g/きゅうり 80g/鶏ガラスープの素 小さじ2/すりおろしにんにく 少々/胡麻油 小さじ1/いり胡麻 小さじ1
作り方:
1 しめじ2種は1本ずつほぐし、きゅうりは太めの千切りにする。
2 ほぐしたしめじをさっと水にくぐらせ、密閉容器に入れ600w電子レンジで1分加熱。きゅうりを加え、さっと混ぜ余熱で軽く火を通す。
3 2の水気を取り、ビニール袋に入れ、鶏ガラスープの素・すりおろしにんにく・胡麻油・いり胡麻を加え、軽く揉み味をなじませる。
「脂溶性ビタミンであるビタミンDを多く含むきのこ類は、油と摂取することで吸収効率を高めます」(吉田さん)