ナオト・インティライミ(33才)。数年前から、有名なミュージシャンや芸人やアスリートたち(さだまさし(61才)やMr.Children、スキマスイッチ・常田真太郎(35才)、芸人のピース・綾部祐二(35才)、女子サッカー日本代表の澤穂希(34才)ら)がこぞって彼の名を口にするようになっていた。
知る人ぞ知る存在だった彼を、有名な彼らが“どうだコイツ面白いだろ、すごいだろ?”と、誇らしげに観客や視聴者に紹介するのだ。そうしてスポットライトを浴びた彼は、臆することなく歌ったり、世界一周の旅を語ったり、サッカーに興じてみたり…。そんな彼が旅フォト日記『旅歌ダイアリー』(幻冬舎)を上梓した。
彼は、作詞・作曲・編曲を独学で学び、世界中の音楽を体で吸収。そして、奇跡的なまでに人とつながっていくパワーの持ち主でもある。
“世界一周28か国を515日かけてひとりで歩き、ライブを行う”“アラファト議長の前でアカペラを披露”、そして“メジャーデビュー後、男性アーティストとして今世紀最速の8か月で武道館のワンマンライブ達成”など数々の逸話を持つ。圧倒的な行動力にもはや説明はいらない。
ひとたび会話が始まると、曖昧に笑い過ごすことはなく、「それってつまり、こういうことでいい?」と聞いてくる。こんなストレートさが初めて会った人の心をつかんで離さないのだろう。
「対人スキル…よく言われるんですけど、どうなんでしょう。自分ではよくわからない。シャイだし人見知りの部分もあるし、ふさいでる日もある。でも、心を閉ざしていても何もいいことがないということがわかったんですよ。ぼくの根本にあるのは、相手を知りたいという気持ちですかね」(ナオト)
たしかに、子供時代であれば、仲よくなりたいとか遊びたいと思ったら、初対面でもすぐに楽しく遊べたかもしれない。でも、大人になると新しい人とつながることが、ときにはしんどいこともある。
「“人”以外に自分を成長させるものがない、と思うんですよ。旅をしている中でもそれは痛感しました。“遺跡”は偉大であっても、人を変えてはくれない。ずどーんと心を揺さぶるのは、人との触れあい。村のおっさんのひと言だったりするから」(ナオト)
※女性セブン2013年5月9・16日号