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一条ゆかり デビューきっかけは「賞金高い『りぼん』に応募」

 20年来のつきあいというおふたり。『有閑倶楽部』(集英社)などの漫画家・一条ゆかり(63才)と、マンガ学会理事を務める漫画研究家・藤本由香里(53才)が会った途端、「なかよしよね」「りぼんがね」「少女フレンドはね」「少女コミックがね」と女性セブンの読者にはたまらない、なんとも慣れ親しんだ懐かしワードが止まらない。そんな少女漫画の今昔を、少女漫画界を代表するおふたりにたっぷり聞いちゃいました。

藤本:私は『なかよし』(講談社)で連載していた『リボンの騎士』(1953年『少女クラブ』、手塚治虫のセルフリメイク版)が最初に出合った漫画だったんです。

一条:私も『なかよし』が生まれて初めて読んだ漫画雑誌。『リボンの騎士』の連載が始まったときは、幼心に「なぜ、『なかよし』にリボン?」と(笑い)。

藤本:そうですよね。そして、『りぼん』(集英社)といえば水野英子先生の『ハニーハニーのすてきな冒険』(1966年)!

一条:ハニーハニーは私がデビューする1年くらい前に始まった連載。高校生のとき、出版社に描いた漫画を送ってみようと郵便局に向かっていたときのことなんだけど、通りかかった書店で『りぼん』を見かけて、その表紙には新連載のハニーハニーのタイトルがどーん!

 つい手にとってペラッと雑誌をめくったら、「第1回りぼん新人漫画賞」の募集が。しかも賞金20万円! 金に目がくらんだ私はスーッと家に帰り、宛名を『りぼん』に書き直して原稿を送りましたよ。そしたら準入選で賞金10万円!

藤本:ハニーハニーはすごいですねぇ。一条先生の運命を変えてしまった。実は、私も、ずっと『なかよし』派だったのにハニーハニーで『りぼん』に転んだ(笑い)。『りぼん』にはスィートラーラ(1967年、北島洋子)の連載もあって。水野先生の作品を読んで漫画家になろうと思った人、多いですよね。

一条:私も水野英子さんが好きで好きで、『少女クラブ』(講談社)の『星のたてごと』(1960年)は夢中になりました。

※女性セブン2013年5月9・16日号

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