ネット選挙が当たり前になれば当然、ネット上で発信力、知名度の高い者が有力候補者として浮上する。そのことは政党の候補者選びにも影響を与える可能性がある。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、タレントのなかでは有吉弘行氏、ロンドンブーツ1号2号の田村淳氏などが有力候補だと話す。
「これまでのタレント候補との違いは、ツイッターのフォロワー数が抜群に多いこと(有吉氏は220万人余りで日本一、田村氏は95万人余り)。しかもツイッターなどでの自分の発言が、ネットや既存メディアで取り上げられるコツを体得しているのが強みです。
たとえば、有吉氏は毒舌を売りにしているのに、最近では前田敦子さんの出ているCMを褒めて話題になりましたし、田村氏はかつてブログで2ちゃんねらーを挑発する発言をして大きなニュースになったことがあります。記者会見を開かなくても、周囲が勝手に自分の発言を世の中に広めてくれるのですから、ネット選挙では非常に有利です」(有吉氏のマネジャーは「政治に関する取材は受けていない」と回答。田村氏側からは期日までに回答なし)
著名人以外にも、ネット選挙ならではの候補者が浮上する可能性を指摘するのは、ジャーナリストの竹田圭吾氏。
「旧来型のドブ板選挙や旧来メディアだけを使った選挙運動では、政治的マイノリティの人たちは各地でバラバラに存在し、連帯しにくかった。しかし、ネットによって全国的な連帯が可能となり、その中から比例の候補者が出てくることはあると思います」
具体的には、低所得者、同性愛者、女性、TPPに賛成する農業関係者などだ。
※SAPIO2013年5月号