“ひな壇”形式のバラエティー番組に登場するひな壇芸人の出演枠を大別すると、「いじられ枠」「ガヤ枠(絶えずガヤガヤしゃべって番組をにぎわす枠)」「ベテラン枠」「新人枠」「裏回し枠(司会者のサポートをして番組を回す枠)」「オンナ芸人枠」の6つに分けられる。
“笑わせる”というより“笑われる”ことで、トークのおいしい部分をもっていくのが「いじられ」キャラ。お笑い芸人評論家のラリー遠田さんによると、現在のツートップは出川哲朗(49才)と狩野英孝(31才)だという。
「テレビを見ている視聴者に、自然とツッコませるのがこのキャラです。例えば、出川は、必死になってしゃべればしゃべるほど空回り。『リアルガチ』などの迷言を連発するので、思わず“それ、同じ意味でしょ”などとツッコみたくなります。
狩野の場合は、ひと言で言うと“ド天然”。全員がトークにノって笑っている状況でも、ひとりだけノれずに真顔で的外れなコメントをします。この2人は、いじれば必ず何か面白いことが起きる。イジられ枠のなかでは最強のカードですね」(ラリーさん)
続いて、容姿でいじられるバナナマンの日村勇紀(40才)や、フットボールアワーの岩尾望(37才)、しゃべれば必ず場が凍り付く“すべり芸”のますだおかだ岡田圭右(44才)などが“いじられ枠”の上位に。若手では、平成ノブシコブシの吉村崇(32才)が人気上昇中。
「キレキャラなのに、根が優しいからキレ切れない。常識的な発言をして逆に出演者からツッコまれる。新しいタイプのいじられだから使いやすい」(テレビ関係者)
『ひな壇芸人のトーク術』(こう書房)の著者・難波義行さんはこう言う。
「トークには着地点が必要です。話をふられ、天然ボケや“すべり芸”でオチをつけられるいじられ枠は欠かせません」(難波さん)
※女性セブン2013年5月9・16日号