全国区となった「くまモン」の人気にあやかりたいと、全国各地の自治体が「ゆるキャラ」を作って町おこしに懸命だ。今は日本百貨店協会が主催する「ご当地キャラ総選挙」で、全国の自治体が熾烈な選挙戦を繰り広げている。
そもそも、全国のゆるキャラ関連イベントといえば、「ゆるキャラグランプリ」が有名。昨年は「総選挙」を大きく超える865キャラのエントリーがあった。
実は「ゆるキャラ」は扶桑社とみうらじゅん氏の登録商標で、今回の総選挙が「ご当地キャラ」となっているのもそのためだ。
ゆるキャラグランプリ実行委員会の西秀一郎会長が経緯を明かす。
「とある広告代理店さんから『ゆるキャラ総選挙』をやりたいとの企画の持ち込みがあったが、お断わりしました。ゆるキャラグランプリは年に1回開催するだけでも大変なので、明確な差別化ができない限り、開催の意義がないと判断したんです。
また、投票システムの考えが甘いと思いました。私たちも毎年反省しながらやっていますが、それでも絶対安全というシステムはないんです。いきなりちゃんとシステムを作れるとは思いませんでした」
ちなみに、ゆるキャラグランプリでも2011年に不正投票問題が起こり、2012年からはID登録制度を導入して、1日に1回しか投票できないようにしたという。
一方、総選挙を主催する百貨店協会側は、
「百貨店は地域産業であり、地域のお客様に支えられている部分が大きい。ご当地キャラを紹介することで各地域の隠れた魅力を引き出し、活性化に貢献したい」
と、その意義を強調する。
※週刊ポスト2013年5月17日号