安倍晋三首相の推し進める道州制が導入に向けて本格的に動き出した。道州制は地域経済の流れを変えることで、大きな地価変動をもたらすことになる。
週刊ポストでは、道州制の研究を行なっている村上弘・立命館大学法学部教授と岡田知弘・京都大学大学院経済学研究科教授が挙げた地価変動をもたらす道州制の条件をもとに、不動産コンサルタントの平野雅之氏の協力で全国110地点の地価の変動を予測した。自公政権が掲げる「5年以内に道州制移行」が実現した場合、現在の地価はどう変わるのか。
ここでは実現が有力視される11州を想定した。ここでは近畿州の変化を見てみよう。
橋下徹・大阪市長(維新の会共同代表)のアピールばかりが目立つ近畿州だが、実は、兵庫県知事も京都府知事もいまの行政権が大阪に奪われるとして、道州制には否定的だ。それは維新の会に対する反発にもつながっている。
「4月14日に行なわれた兵庫の宝塚・伊丹両市長選で維新が負けた背景には、大阪に取り込まれる兵庫県民の危機感があった。兵庫県内で道州制に前向きなのは、大阪市に隣接する尼崎市くらいですよ」(全国紙の兵庫県担当記者)
※週刊ポスト2013年5月17日号