現在道州制の導入議論が展開されているが、都市ごとの覇権争いも意味する。ここでは九州州の変化を見てみよう。
九州の州都争いは、なって当然の福岡・博多に対し、熊本がドン・キホーテ的な戦いを挑む構図だ。熊本の経済人の間では、「熊本をワシントンに、福岡をニューヨークに」が合い言葉だ。
「熊本県は州都を目指します! 熊本は地理的に九州の真ん中にあり、博多への一極集中を防ぐ役割がある。2011年の新幹線開通がホップ、昨年に熊本市が政令指定都市になったのがステップ、そして道州制の州都になるのがジャンプです」(熊本県企画課企画調整班)
ジャンプ(飛躍)しすぎてはいないか……。ただ、熊本の危機感は十分理解できる。というのも、他州と違い、九州州だけは州都が地理的な中心ではなく最北にある。福岡から距離のある南九州ではとくに地価下落が懸念されているのだ。
※週刊ポスト2013年5月17日号