4月28日から5月3日までオランダを公式訪問されていた皇太子ご夫妻。帰国後、「今回、ふたり揃って訪問し、即位式への参列を無事に果たすことができたことに安堵いたしますとともに、このことを大変嬉しく思っております」と宮内庁を通じて感想を寄せられた。
さらに、オランダ王室や、同国との友好関係を築いてこられた天皇皇后両陛下に感謝の意を示すとともに、日本の国民に対してもお礼の気持ちを述べられていた。
その皇太子ご夫妻の現地での様子を振り返ってみる。4月30日、オランダは、ヨーロッパで最も若い46才の国王、ウィレム・アレクサンダー新国王誕生に、国中が祝賀ムードに沸いていた。
即位式が行われる首都・アムステルダムの新教会近くの広場は、オランダ市民や外国からの観光客など約2万5000人で埋め尽くされた。その多くが王室のシンボルカラーであるオレンジ色の帽子や服を身に纏い、広場はオレンジ一色に染まっていた。
そして、雅子さまにとっては、実に11年ぶりの海外での晴れ舞台となった即位式。黒のえんび服姿の皇太子さまの隣に並ばれた雅子さまは、クリーム色のローブ・モンタントをお召しになっていた。そして右胸には、美智子さまから受け継がれたブローチが輝いていた。
「美智子さまが皇太子妃だった1965年5月の世界生花展や、1970年2月のマレーシア・シンガポールを訪問された際などにおつけになっていたブローチです。その後、美智子さまから雅子さまに贈られたようで、雅子さまもお祝いの席ではことあるごとに身につけられ、大切にされているんです。雅子さまが皇室に嫁がれてから初めての海外ご訪問となった1995年1月の中東訪問のときにも着用されています。あのブローチは、雅子さまにとって“お守り”となっているんでしょうね」(宮内庁関係者)
美智子さまの愛に包まれて即位式に臨まれた雅子さまは、ご病気だと感じさせないプリンセススマイルを浮かべながら、沿道の人々に手を振られ、ゆっくりとした足取りで教会の中へと入られた。
皇太子ご夫妻には、英国・チャールズ皇太子夫妻と同じ最前列が用意されるなど、オランダ側の気遣いが感じられた。
即位式が終わると、皇太子ご夫妻は隣接するアムステルダム王宮で開かれたレセプションにご出席。そこでは、各国の王族とともにオランダ新国王夫妻を囲んでの記念撮影に臨まれた。
こうして雅子さまは、即位式からレセプションまで、約4時間に及ぶ公式行事で、その務めを無事に果たされた。雅子さまの笑顔はオランダ国民をも魅了したようで、地元紙は<なんと、美しい!>という見出しで報じたほどだった。
※女性セブン2013年5月23日号