普段は人影もまばらな岩手県久慈市の小袖海岸。この寒村が今、日本で一番ホットな観光スポットになっているという。高視聴率を続けるNHK連続テレビ小説『あまちゃん』のロケ地なのがその理由だ。
早速現地に飛んでみると、そこは黒山の人だかり。何事かと覗いてみれば、ドラマのヒロイン・能年玲奈ちゃんと瓜ふたつの絣姿の女の子がいるではないか。聞けば、地元の高校2年生・中野百瑛ちゃんで、「高校生海女クラブ」のメンバーだという。ここには本物の女子高生あまちゃんがいたのだ。昨年から潜り始めたそうで、今年の夏休みには海女の実演にも参加するというのだから今から楽しみだ。
それにしても、7月からの人気イベント「海女の素潜り実演」を前にこの盛り上がり。昨年の月間最多来客数は8月の1909人だったが、今年はGW前半の3日間だけで2608人。東京や愛知、はては沖縄から来たという家族連れもいたのだから驚く。あまりの観光ラッシュに、地元で土日祝日は観光客のマイカーを規制。それでも訪れる人は引きも切らず、ドラマでお馴染みのウニ丼やまめぶ汁は飛ぶように売れている。
ここ北三陸では、ひと足お先に“アマ”ノミクスで景気回復というわけである。
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2013年5月24日号