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「23年会話なし夫婦」に東大教授が「妻への人権侵害」と批判

 日本中に感動を呼んだ『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)の「23年間会話のなかった夫婦」。これは、両親が会話をしているところを見たことがないという青年が、「両親が話しているところを見たい」と番組に依頼し、23年ぶりに夫婦が会話を果たすという感動的なエピソードだ。

 そして、父親に会話がなかった原因を聞いてみると、妻が子供中心に生活になったことで「拗ねていた」からだというのだ。

 そんな「23年間会話がなかった夫婦」だが、番組に対する反響は、絶賛の声ばかりではなかった。一部の番組視聴者からは、その内容に批判が寄せられたのだ。

『探偵!ナイトスクープ』の大ファンで知られる社会学者の松原隆一郎・東京大学大学院教授が、批判派のひとりとして名乗りを挙げた。

「僕はファンだからあえていいますけど、今回は全く感動しなかった。だってこれは妻に対する人権侵害でしょう? 別居しているならわかるけど、なぜ妻は夫に無視され続けても平気でいられるのか。理解できません。

 普通は『私なんか悪いことした?』と爆発するはずです。あの夫婦を見て感動する人が多いということは、それだけ会話のない、不自然なコミュニケーションをしている夫婦が多いということでしょう。社会現象として捉えると、空恐ろしいものを感じますよ」

 ネットでも、「これに感動してるって奴、理解できん」「23年間無視って精神的DVだろ」などの批判が書き込まれ、感動派との間で異例の論争になっているのだが、それだけ番組への反響が大きい証拠だろう。

※週刊ポスト2013年5月24日号

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