わずか2日半の稽古で、軽度の心筋梗塞と診断された天海祐希(45才)の代役を務めた宮沢りえ(40才)。その裏側には、こんなエピソードがあった。
5月6日午後4時20分。野田秀樹(57才)と三谷幸喜(51才)の初共作となった舞台『おのれナポレオン』の公演が終わると、いつも明るい天海の姿が誰の目にもおかしく映った。これまで経験したことのないだるさを感じ、公演中から苦痛と闘っていたという。都内の病院で精密検査を受けると「軽度の心筋梗塞」と診断された。その知らせは舞台の全関係者にすぐに知らされ、そのまま会議が行われた。
「三谷さんは、とにかく天海さんに“申し訳ないことをした”と落ちこんでいました。今回の公演は休憩なしの2時間20分で、1日に2公演という日もあった。おまけに長ゼリフで、“自分が追いつめたのかも…”と思ったようです。だから三谷さんは“天海さんが復帰できないなら中止にしよう”と言っていました。
でも野田さんは違いました。“舞台を楽しみに待っていてくれる観客に申し訳ない”と、代役を立てての続行を訴えたんです。上演されている劇場の芸術監督を野田さんが務めているという背景もあったでしょうね。最後は“中止だけは避けたい”という野田さんの思いに押し切られる形で続行が決まりました」(舞台関係者)
代役は誰にするか? 悩む三谷に、野田は宮沢りえを強く推した。数多くの野田作品に出演してきた宮沢りえはセリフ覚えの早さにも定評があり、彼も大きな信頼を寄せていたのだ。
「今回の舞台は、出演者が決まっている中で書き下ろされたものでした。劇中では天海さんの長身をネタにしたセリフも随所にあったため、三谷さんは“宮沢さんはイメージと違う”と最初は渋ったそうですが、野田さんは“彼女なら絶対に大丈夫だ”って猛プッシュしたそうです。
そんな経緯の末に宮沢さんにオファーがいったのですが、彼女もそのオファーにはかなり驚いて、戸惑っていたそうです。でも野田さんは“これが成功すれば、女優・宮沢りえは不動のものになる!”と言って口説いたと聞きました」(芸能関係者)
※女性セブン2013年5月30日号