株式会社Free Agent Artistry代表取締役社長の小西玲太朗氏は、ネオヒルズ族の中でも異色の存在だ。
グラフィックデザイナーとして一流レコード会社などをクライアントに持っていた彼は、昼夜問わずボロボロになるまで働き、ようやく月収100万円を得たところで気づいた。
「世の中の働き手は『労働者層』と『マネージメントや経営をする層』に分かれている。労働者でいる限り、これ以上の収入は見込めない」
今年2月に起業しデザイナーとしてのノウハウなどをネットで売り始めた。
「教える側に回った途端に自分の価値が上がり、仕事の単価も上昇。ネットを上手く活用すれば自分をブランディングできることがわかりました」
今では「1通のメールで数千万円の仕事が舞い込む」と豪語する。セミナーでは、デザインの立案から実際の商品化までをサポートするプロジェクトを480万円で販売し、高額にもかかわらず売れているという。
昨年までの住まいは東京・大田区の1K8万円のマンション。今は、六本木の高級タワーマンションの31階、2LDKに住む。
「月商1億円はサクッといきますよ」
外界を見下ろしながら話す彼の顔は完全に経営者だ。
撮影■藤岡雅樹
※週刊ポスト2013年5月24日号