高須クリニックの高須克弥院長が、世の中のさまざまな話題に提言していくシリーズ企画「かっちゃんに訊け!!」。今回は、中国で蔓延する鳥インフルエンザの話題から始まって中国の食文化に触れるとともに、まさかの「悟りを開いた」エピソードも語ってもらった。
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──最近は、中国の大気汚染や食品汚染のニュースが多いわけですが、そんななか多くの日本人が心配しているのが、鳥インフルエンザだと思います。そこで、高須院長に医師という立場からにご意見をお聞きしたいのですが、鳥インフルエンザは日本にくるのでしょうか? そして、いわゆる“パンデミック”という状態になってしまう可能性はどれくらいあるのでしょうか?
高須:たぶん日本にはくるでしょう。もしかしたらもう上陸しているかもしれない。残念ながらインフルエンザは、そう簡単に防げるものではないからね。だから、鳥インフルエンザが日本で流行るかもしれないっていうことを、ある程度は覚悟しておかなくちゃいけないと思うよ。
──仮に鳥インフルエンザが日本に上陸したとして、多数の死者が出てしまう可能性もあるわけですよね?
高須:今中国では30人以上の死者が出ているんだよね。この数を多いと考えるか少ないと考えるか、いろいろ意見はあると思うけど、日本でも同じくらいの影響はあるかもしれないね。でも、インフルエンザで人類が滅びるようなことはないんだから、過剰に心配しすぎる必要もないよ。こんなことを言ったら怒られちゃうかもしれないけど、今まで天然痘とか梅毒とかエボラ出血熱とか、いろんな伝染病や感染症があったけど、それでも人類は滅びてないんだから大丈夫なんですよ。
──鳥インフルエンザとともに、中国の食品汚染も気になります。魚が薬漬けになっているとか、羊肉だと偽ってキツネやネズミの肉を出していたとか、いろんなニュースがありますよね。
高須:中国に行くたびに思うけど、とにかく環境はどんどん汚くなっているね。揚子江も黄河も工業排水が流れ出ちゃって、本当に汚い。そういう場所で魚の養殖も行われているわけで、汚染されるのも当然だよ。中国の川の水なんて絶対に飲みたくないよ。まあ、ぼくはガンジス川の水なら飲んだことがあるけどね。
──えっ!? ガンジス川って、人の排泄物とか死体とかも流れてるっていうじゃないですか。
高須:そうそう。インドに行ったとき、テレビ局の放送作家たちが「院長、ガンジス川の水を飲んだら“聖者”として崇められますよ」なんておだてるもんだから、コップですくってグビッと飲んだんだよ。抗生物質をたくさん持っていたから、それを飲んどけば大丈夫だろうって思ってたんだけど、まあ全然効かなかったね(笑い)。ものすごく熱が出た。
──無謀なチャレンジですよ!
高須:でも、熱が引いた後は、ものすごくさわやかな気分になったけどね。これが“悟りを開く”ってやつかもね(笑い)。
──そんな悟りの開き方、ダメですよ…。
高須:まあ、ガンジス川の水は飲めても、中国の川の水は飲めないってことだよ。だって、中国のお金持ちは中国産の食べ物を食べないしね。中国人でさえ「中国では何を出されるかわかったもんじゃない」って思ってるんだよ。ぼくも中国に行くと、大抵は学会なんかでもてなしてもらうんだけど、そういうときは「穿山甲(せんざんこう)がいいか? それとも山椒魚か?」って言われることが多い。ポピュラーな食材は食べさせられないけど、日本では食べられない珍しい動物の料理はどんどん出そうとする。それが最高のもてなし、っていう考えなんだろうね。こっちは、全然うれしくないんだけど(笑い)。
──それもありがた迷惑ですよね。
高須:「中国人は四本足なら椅子とテーブル以外全部食べる」なんて言われているからね。キツネやネズミの肉なんていうのも全然珍しいものではない。食肉偽装はあってはならないことだけど、中国はそういう文化だって割り切るしかない部分もあると思うよ。
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鳥インフルエンザ、環境汚染、食品偽装…と次々と飛び出す中国の問題。なかなか解決策を見出すことはできないのがもどかしいところだ。それにしても、ガンジス川の水を飲んで“悟りを開いた”という高須院長のチャレンジ精神には頭が下がります…。
【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。
昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『バカにつける薬 ドクター高須の抱腹絶倒・健康術』(新潮OH!文庫)、『私、美人化計画』(祥伝社)、『シミ・しわ・たるみを自分で直す本』(KKベストセラーズ)、『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)など。近著は『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)。