初のカバーアルバム『カバ』をリリースした堂本剛(34才)が、このアルバムについて語ってくれた。
「うちの母がずっと以前から、『剛がいろんな人の歌うたってアルバムとか出せたらええやん』みたいなこと言ってはって。『その曲を生んだアーティストのかたに失礼やからあかんねん』て言ってたんですけど、今回、『こんなアルバムできたで』って聴かせてあげたら、『夢がひとつ叶ったわぁ』って涙目になってたんです。リリースするのが母の日に近いので、ぼくにとっては母の日のプレゼントになったのかなと」(堂本・以下「」内同)
12才でジャニーズ事務所にはいり、14才でKinKi Kidsを結成。20年以上一線で活躍し続け、シンガーソングライターとしての活動でも評価の高い彼が、本作では数々の名曲をカバーしている。
■『I LOVE YOU』(尾崎豊)
「姉が尾崎豊さんを大好きで、カラオケでよく歌ってって言われて。小学5年生から中学生のころですね。お姉ちゃんに“I LOVE YOU”って歌うのも変ですけど(笑い)、そのときはそこまで歌詞の内容をつかめてはいなかった。家族でカラオケとかそういう何気ない時間ほど沁みてくるっていうか。
姉のことや後ろで母が微笑みながら聴いてたみたいな景色が戻ってくる。尾崎さんの偉大な名曲ですけども、ぼくにとっては自分の過去の記憶をたぐり寄せるきっかけになってくれるんですね。そういう意味でも尾崎さんに感謝です」
■『PRIDE』『はじまりはいつも雨』(ASKA)
「人生でいちばん最初に買ったCDが『はじまりはいつも雨』。小6くらいかな。歌番組で聴いて胸がザワザワして、“水のトンネルをくぐる”とかすごくきれいだなってグッときちゃったんですよ。奈良で雨が降っている風景とマッチするところもちょっとあって。
母にもらった500円玉を握りしめて買いに行って、姉のCDラジカセで何度も歌詞を読みながら歌った覚えがあるんですよね。この曲とCHAGE&ASKAさんの『PRIDE』はカラオケで自発的に歌う自分の原点でもあります。
この前、あるスタジオでASKAさんがぼくが歌ったのを聴いてくれたんですよ。“すごくいいね”と言ってくださって。とっても緊張したけど、この状況を親が見たら感激して泣くやろなって。すごく不思議な時間でした」
※女性セブン2013年5月30日号