安倍晋三首相が記録を更新し続けている──というのは首相公邸への未入居期間の話。現在の公邸が整備された2005年以降、最長だった麻生太郎元首相の117日をすでに抜き、まもなく150日が経過しようとしている。
現公邸は、旧官邸を元の場所から約50m移動させて改修したものだが、この旧官邸そして棟続きだった旧公邸は、5・15事件で犬養毅首相、2・26事件で岡田啓介首相の義弟が射殺された“殺人現場”でもある。このため「幽霊が出る」という噂が絶えなかった。
たとえば、羽田孜元首相の夫人は霊能力者から「庭に軍人がたくさんいる」と告げられ、羽田元首相はお清めの塩を撒いていたという。また、森喜朗元首相は就寝中にカチャカチャとドアノブを回す音がしたため、「誰だ!」と叫んでドアを開けたら、廊下を足音だけが遠ざかっていったと方々で話している。
森元首相から話を聞いて笑っていた小泉純一郎元首相も、公邸入居後にお祓いをしたそうだ。現公邸でも、鳩山由紀夫元首相の夫人が幽霊を見たという話が番記者の間で話題になった。
安倍首相は第1次政権の時は就任61日後に公邸入りしているが、もしかして、その時に見てしまった!?
※週刊ポスト2013年5月31日号