5年4か月ぶりに日経平均が1万5000円を突破した。この株高の背景を、カブ知恵代表の藤井英敏氏が分析する。
「米国の景気回復期待に伴う米国市場の株高、そして1ドル=100円を超える一段の円安が続いていることで日本株への関心が一層高まり、外国人投資家の旺盛な買いが継続している」
すでに日経平均は半年で7割超もの上昇を見せており、あまりの急騰ぶりに証券業界関係者の間では、「年内に2万円突破!」という威勢のいい声が飛び交っている。
巷では「アベノミクス相場」で億万長者となった個人投資家を「億り人(おくりびと)」と呼び、注目を集めるようになっている。
その筆頭が、「武者修行中」氏だろう。昨年12月からわずか5か月で6億円を稼ぎ出し、週末のみ過ごすセカンドハウスの内装に数百万円をかけるほど潤っている。あるいはFX(外国為替証拠金取引)でも、元手1000万円を2億円以上にしたような「億り人」が続々誕生しており、株やFXで儲けた長者たちが高級車や宝飾品、果ては不動産まで買いに走るような活況を呈している。
このように株高・円安の恩恵を受けて懐が温まり、それが個人消費を刺激し、景気回復に向けた好影響を予想して、さらに株式市場にマネーが流入するという好循環が見られるようになっているのだ。
※週刊ポスト2013年5月31日号