アイドルとしてだけでなく今やシンガーソングライターとしての顔も知られる堂本剛(34才)。寡黙な彼は、これまで自分のことを明かしたりすることはほとんどなかった。しかし今回、新アルバム『カバ』の発表にあたり、アイドルという道を進む中で感じてきた葛藤など熱く語り尽くしてくれた。
このアルバムでは10代と20代、30代になる前に作った曲をセルフカバーもしている。
「10代のころは、皆さんに望まれるものをこなしていくことが、いわゆるアイドルとしての優しさであり、愛であるのかなと思っていて。今はSMAPっていう大きな先輩がいますけど、当時は30才超えてアイドルやってるなんて想像もつかなかったから。将来自分にアイドルとしての仕事が来なくなったら、やめて違う職業についたり、奈良に帰ってもええんちゃう、くらいに考えてたんですよ」
そんなとき、テレビ番組の企画がきっかけで、自分で曲を作るようになっていく。
「でも、恋の歌みたいなのは頭ではできても、やっぱり自分が思ってることじゃないと表面だけになっちゃう。スタッフに『歌詞が男っぽすぎる』『もうちょっと女の子にモテる歌じゃないと』って怒られたこともありましたよ。
でも、素直に感じる家族への感謝とか生きてる証みたいなものを書けたらいいなと思うようになって。ジャニーさんは楽屋に来て、いつも『変化球を投げろ』って言ってくれますから、ジャニーズ事務所にいながら可能性を広げてもらってます」
KinKi Kidsというのは、自分にとってとても大切な宝物。そのリスペクトゆえ、ソロ活動のときには“KinKi Kids”という言葉は安易には使いたくないという。
「夫婦に例えると、(堂本)光一が旦那タイプで俺が嫁タイプ。夫婦でいるときに自分のことだけ話して、一言も夫婦の話してへんのは気持ちよくないし、もったいない。だから、キンキとしてテレビやステージに立つときはソロの話は極力しないで、キンキのことを中心に話をしていきたい。ふたりでしか作れないものと、ひとりでしか作れないものがあるから、その醍醐味をファンのかたにも楽しんでもらいたいんです。
ふたりですることに対して何とも思っていなかったり、自分ひとりでやることにこだわりも誇りも持てないようじゃ意味がない。30過ぎた男としては、やっぱり両方できて両方愛せるべきだと思います。旦那がミュージカルやっている間に嫁は自分でできることを楽しむ、そういう夫婦なんです(笑い)」
※女性セブン2013年5月30日号