日本のメーカーが生み出した家電の中には、世界中で絶賛されているものも多い。その代表格が温水洗浄便座だ。TOTOが販売しているウォシュレットは、ハリウッドスターにも大人気。レオナルド・ディカプリオはハリウッドの自宅を改築した際、3200ドル(約32万 円)するウォシュレット付きトイレを購入したと2008 年、報じられた。
購入したのは自動で蓋が開閉し、水が自動で流れ便器を清浄、リモコンも付いているタイプだという。ほかにも、ウィル・スミスは自宅に設置し「紙が必要ない。ハンズフリーだ」と、マドンナは来日した際「温かい便座が懐かしかったわ」と絶賛した。
ウォシュレット開発に当たっては、同社社員数百人が便座に座り、日本人のお尻に合う洗浄ポイントや水温、噴射の角度、水量などのデータを収集し、完成させたことも知られている。
今年2月からインドで売り出しているのが「デイリーサリーコース」付きのパナソニック製全自動洗濯機も人気だ。インドでは民族衣装、サリーを着る女性が多いが、「サリーを洗うちょうどいいコースがない」と、不満が出ていた。インド担当の日本の開発スタッフが、20種類以上のサリーを購入、実験を続け、サリーなら綿でも絹でも化繊でも洗える水流にたどり着いたという。
今や空調業界では世界一の売り上げ企業となったダイキン。海外の事情に合わせて製品企画を考えるのが成功の秘訣だという。
たとえば中国市場向けのエアコン。日本での売れ筋は白だが、中国人に好まれる「赤」や「金」の室内機を作ったところ人気を集めたという。また、中国人は 写真を撮るのも飾るのも大好きなので、エアコンのパネルに写真プリントができる商品もヒットしている。
これらの企画は現地の中国人若手社員主導によるプロジェクトから生まれた商品だ。現地ニーズをつかむのは、現地スタッフのほうが優秀といういい例になっているようだ。
※女性セブン2013年5月30日号