企業の巧妙なリストラ策として社会問題化した「追い出し部屋」をはじめ、なりすましツイッター、美人局による罠、捏造されたセクハラ……。 あなたの職場や近所に渦巻く黒い感情は謀略となって、ある日、突然ハめられる。もはや何がウソかマコトかわからない。
かつて、自分の配偶者や恋人を浮気相手と別れさせる「別れさせ屋」の存在が大きな話題を呼んだが、最近では、相手が浮気するかどうかを事前に調査する「ブラックメール代行業」まで繁盛しているという。
出会い系サイトなどを活用し、配偶者や恋人に誘惑メールを送りつけ、相手がその誘惑に負けてしまうかどうかを確かめるという商売だ。
実際に浮気や不倫をしていないのに、その可能性を確かめるとは、いささか疑心暗鬼がすぎる気もするが……。
相手を疑うビジネスがあれば、その疑いをそらすビジネスもある。浮気が相手にバレないよう、工作員が友人を装って口裏を合わせるなど、アリバイ作りをしてくれるのが「アリバイ会社」だ。
さらに「くっつけ屋」なるものまで存在するから驚きである。
例えば、ある女性と交際したいという男性の依頼を受け、工作員があの手この手で、女性が依頼者に好意を抱くように仕向けるという仕事だ。 裏稼業を取材してきたライターが語った。
「合コンで、工作員がありもしない武勇伝をでっちあげたりして、ターゲット女性の前で依頼男性を持ち上げる。別の工作員がターゲット女性に因縁をつけ、危機一髪のとこで依頼男性が助けに入るという演出をすることもあります」
あなたが密かに思いを寄せる女性が、くっつけ屋のせいでろくでもない男に引っ掛かってしまったとしたら、目も当てられない。
※週刊ポスト2013年5月31日号