預金口座の差し押さえや警察出動まで、事件続発のビッグダディ・林下清志さん。4月から岩手と宮崎に別れて暮らす元夫婦だが、遠く離れた前妻・美奈子さんがどうしても気になる清志さんが突然、“宮崎行き”を決意。その“電撃再会”の瞬間を独占密着した。
5月16日早朝6時前。前日深夜に盛岡を発った夜行バスが、東京駅日本橋口に到着した。バスから降りてきた清志さんは、チェック柄のスエットパンツに濃紺のTシャツ、キャップを後ろ向きにかぶる、いつもの“ダディスタイル”だ。
「まぁ、今日は平日だし、あいつも家にいるだろ? それに美奈に付いて行った6人の子供らの顔も見たいなぁ。特に星音(しおん・14才)。あいつ、もう“学校に行きたくない”なんて言い出してるらしいんだ。引っ叩いてやらねぇと(笑い)」
久しぶりの再会に心が弾んでいるのか、羽田空港に向かう途中、そんな軽口をたたく清志さん。その一方で、清志さんは岩手に残してきた4人の子供たちのことも盛んに心配する。
「子供たち、大丈夫かなぁ~。今日は弁当作ってやれなかったから…。でも、弁当も仕事も休むのは今日1日だけ。明日はいつものおれに戻って弁当も作るし、仕事も目一杯やるつもり」
そんなことを語っているときに、清志さんの携帯が鳴った。岩手の子供たちからのメールだった。
「<弁当作り手間取ってる。明日も作らなきゃならないの?>って。子供たちのためにも、何とか今日中には帰らないとな…」
常に子供たちのことを第一に考える清志さんらしい言葉だった。そして空港に到着。チェックインをすませ機内に向かう途中、搭乗券をじっと見ていた清志さんが声を上げた。
「この便名すごいぞ! ANA3753便。“み(3)な(7)こ(5)さん(3)”だよ! いや~なんかの運命だな」
やはりこのふたりには切っても切れない縁があるようだ。
レンタカーを借り、宮崎空港から海沿いを1時間ほど走らせると、日南市の漁港が見えてくる。この港からほど近い古い一軒家に美奈子さんと子供たちは暮らしている。その家の前に立つと、清志さんはこうポツリ。
「盛岡から12時間、遠いところに引っ越したもんだ。あいつ、元気でやれてんのかな…」
そして、清志さんが呼び鈴を押した。「は~い」という声と共に玄関が開いた。
「はっ? 何? え…?」
目をパチパチさせ、固まってしまった美奈子さん。
「元気だったか? 心配だから顔見に来てやったんだよ。驚いただろ?」
照れくさそうにそう話す清志さんを前に、美奈子さんは言葉が続かない。 「サプライズで盛岡から来たってわけよ。とりあえず中に入ってもいいだろ?」
美奈子さんは少しずつ事態を把握した様子で呆れ顔。
「急すぎだよ! マジでびっくりしたわ! なんなんだよ、もう~…」
そうブツブツ言いながらも、彼女は清志さんを家へと招き入れたのだった。
※女性セブン2013年6月6日号