5月5日の国民栄誉賞表彰式以来、松井秀喜氏の周辺が騒がしくなっている。松井氏は引退セレモニーで「またいつか、みなさまにお会いできることを夢見て、また新たに出発したいと思います」と発言。この発言によって、渡邊恒雄会長が以前から熱望していた通り、将来的な巨人・松井監督の就任が既定路線になったといっていいだろう。
とはいえ現在、地上波での巨人戦中継数は、毎試合放送されていた松井氏の現役時代と比べて、激減している。仮に松井氏が監督に就任した場合、以前のように戻るのだろうか。テレビ局関係者は語る。
「まずはコーチ就任からでしょうから、松井監督の誕生は早くても数年後になるでしょうね。とはいえ、もちろんそのときの状況次第でしょうが、現状では日本テレビは巨人戦を数字の取れるコンテンツとは考えていない。
5月5日も、長嶋(茂雄)さんと松井さんの始球式が終わり、試合が始まっているのに、松井さんの軌跡を振り返るVTRを1時間も流し続けていた。そこからもわかるように、今の巨人戦はないがしろにされていますよ。始球式の流れでそのまま試合を中継すれば、昔の巨人ファンを呼び戻せる絶好の機会だったわけです。その流れを、日テレがみずから断ち切ったことで、テレビを消した人も相当多かったようですね」(テレビ局関係者)
たしかに同日、『長嶋茂雄&松井秀喜W国民栄誉賞!独占生中継スペシャル』の視聴率は12.9%だったが、その後の巨人×広島戦中継は7.4%と、大きく下落している。
「始球式が終わった段階で番組を区切っておけば、『国民栄誉賞スペシャル』も数字はもっと上がっていたはずだし、その流れで巨人×広島戦を見る人ももっと増えていたはずです。とはいえ、いつまでもミスターとゴジラに頼っているわけにもいかず、新たなスターの誕生がなければ、巨人人気は続かない。編成サイドは、そこをわかっているのかどうか……。
要するに、日本テレビは『長嶋と松井は数字が獲れるから長くやる』『巨人戦は獲れないから短くする』という考えなのでしょう。芸能人を起用する番組と同じで、将来的なビジョンは持っていない。松井監督になれば、中継数は多少増えるかもしれませんが、数字が獲れなければすぐなくなると思いますよ」(同前)