今や“紫外線はお肌の大敵”というのは常識だが、1980 年代までは夏は焼けた肌が魅力的とされていた。
「私も焼きましたね~。きれいに焼けると聞いて肌にメンソレータムを塗ったことも。銀色のシートのようなものを敷 くと、レフ板効果でよく焼けると聞いてやってみたら、まだらに焼けてしまったり…。そういえば、オキシドールで髪の毛を脱色したら傷んだ、ということもありましたね。若いときは、いろいろ失敗もしました(笑い)」(美容家・小林ひろ美さん)
また、サーファーブームにのって、アメリカのスキンケアグッズが流行。
「塗るとピリピリする『テンオーシックスローション』や、ココナッツの香りがする『コパトーン』の日焼け用ローションなど、当時はキャッチーなものにみんなが飛びついたんですよ」(ひろ美さん)
そんな何でもありの時代を経て、1980 年代以降、化粧品も質を重視する時代へ突入する。
「経済成長に伴い、各化粧品メーカーもどんどんブランドを増やしていきました。だから、良いものを開発しても瞬く間に消えていって、とてももったいなかったですね」(美容研究家・小林照子さん ※ひろ美さんの母)
そんな時代に、当時コーセーに勤務していた照子さんが開発したのが、『アルファードR・Cリキッドプレシャス』。小林さんは、この商品を1975年に開発したが、
「ブランドの特徴を出すために、世界で初めて、今でいう“美容液”を開発したんです。当時としては高価な5000 円の化粧品は、社内でも“売れない”と言われましたが、実際に発売してみたら大ヒット。ブランドはもうなくなってしまったけれど、この美容液だけは最近まで売られていたんですよ」(照子さん)
※女性セブン2013年6月6日号