「脳梗塞やがんの場合、『手術に多額な費用がかかる』と考える人が多いようですが、実はそうでもありません。
と語るのは、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さん。
「親が70才以上なら、医療費負担は1割になりますし(所得によっては3割負担)、高額療養費制度を利用すれば、平均的な収入の場合、100万円の手術を受けても、約9万円の負担で済みます。
意外に負担が大きくなるのが、骨折などのけがや認知症、うつなどの精神系疾患。脳梗塞やがんなどは、治療の道筋が見えやすく、一時的にお金がかかっても、生活の立て直しがしやすいのですが、けがや認知症の場合では、入院後の看病や介護に、人手とお金がかかります。それもいつまで続くかわからないため、生活の見通しがたたなくなるのです」(太田さん)
親が突然入院したら病院でやれることは何か? 医療コーディネーターの岩本ゆりさんはこう語る。
「入院中に、治療が長引くことがわかったら、すぐに介護保険の申請をしておくといいでしょう。サービスが受けられるまでに2週間から1か月ほどかかります。介護保険認定の際に必要になる訪問調査は、入院先の病院でもできます。
また、入院中に活用すべきなのが病院の相談窓口です。医療ソーシャルワーカーという相談員が無料で相談に乗ってくれます。退院前に、転院先や在宅治療などの相談をしておきましょう」
※女性セブン2013年6月6日号