最新のアンチエイジング研究の成果をもとに、「ボケない」「老けない」「衰えない」ために、ふだんの暮らしの中でできるコツと工夫をわかりやすく解説した著書『ボケない道』(小学館101新書)を上梓した白澤卓二さん(55才)。
いつまでも若く、美しく、健康でいたい。こんな願いを学問として研究する著者は、3月に開催された『ミス・ユニバース日本大会』の審査員を務めた。
「医者であるぼくの役割は、ファイナリストが健康かどうかを判断することです。どんなにプロポーションがよくても、それだけではファイナリスト失格です。食事、運動、睡眠など生活習慣すべてのバランスの延長線上にある美でなければならないからです」(白澤さん・以下「」内同)
ちなみに、体重÷身長÷身長で算出される体格の指標(BMI)が18以下の人は、やせすぎとして除外するそうだ。
本著では、“ボケ”には肥満や糖尿病など身体的な危険因子が大きく関連していると述べられている。
しかし、太りたくない、やせて若く見られたいと思うあまり、食事を抜くなどの無理なダイエットは逆効果と説く。
「朝食や昼食を抜いたりすれば、血糖値はジェットコースターのように上下します。血糖値を下げるホルモンであるインスリンが効かなくなるからです。その結果、糖尿病にかかる確率が高くなります」
“毎朝朝食を食べている”という人に対しても、その内容には疑問を持つことが多い。
「朝食の定義がいい加減だからです。カロリーと栄養のバランスがとれて初めて食事といえるのですが、たとえば、ごはんとみそ汁と海苔や卵といった献立ではカロリーは充分でも、栄養素はこれだけでは足りません」
かつて日本人の食卓には、栄養素をたっぷり含んだ旬の野菜がふんだんにあった。しかし現在、そういう野菜が少なくなっているし、食べる量も減っている。相対的にみれば、白米やパン、麺類、スイーツなど糖質の摂取量が多くなっているのだ。
「インスリンの効きをよくする食材を、低GI食材といいますが、それは納豆やオクラなどのねばねば成分や玄米、食物繊維の多い野菜類などです。長寿で活躍する人、ミス・ユニバースに選ばれる人たちは、調べてみると低GI食を実践しています」
※女性セブン2013年6月6日号