11年連続Aクラスと安定感抜群のチーム力を誇った中日ドラゴンズが、どうも波に乗り切れない。開幕から2か月を過ぎようとする時期になっても、いまだにBクラス。交流戦初戦には、高木守道監督と井端弘和が中継プレーを巡り、一触即発になるなど、何やら不穏なムードが漂っている。
高木監督といえば、ファンからのヤジに応戦することでも有名。4月14日、ナゴヤドームでの広島戦後には、「なんで山内を代えたんやっ!」と罵声を浴びせられると、ファンに「降りてこい!」と血相を変え、怒り狂った。昨季もしばしば見られたシーンで、一種の中日名物となっている。ところが、当の高木監督も、実は気にしているという。
「ファンの前だと強気ですが、野次られた翌日なんかは、報道陣に『また言われちゃったよ~』とかわいらしげに話していますよ。まあ“瞬間湯沸かし器”みたいなもので、実際はヤジが堪えているんだと思います。72歳と高齢ですし、心配ですよ。最近は成績も上がらないし、ヤジにもやり返すシーンも減ってますからね」(スポーツ紙記者)
スポーツ紙の新春インタビューで、高木監督はこう話している。
〈選手時代は寡黙と言われたし、本来、進んでしゃべるタイプじゃない。でも、17年間解説をやって、黙ってても仕事にならん、面白いことを言わないと仕事にならんことに気づいたのはあります。(中略)
黙ってるに越したことはないけど、落合前監督がファンサービスがどうこう言われていたのもあったし…。でも、今年はもっとハイセンスなのを、と思ってますよ(笑い)〉
優勝しても「ファンサービスが少ない」という理由で落合前監督は解任された。高木監督はその後任になっただけに、余計に「面白いことを言わないと」と考えているのかもしれない。