警視庁が詐欺容疑で逮捕した韓国人クラブ経営の許愛栄容疑者(54・韓国籍)は、2005年から新宿区に申請を行ない生活保護費を総額1400万円受け取っていた。
しかし、実際は2008年9月以降、1億円以上の売り上げを得ていた同時期に840万円の保護費を不正受給していた。
許容疑者が来日したのはバブル真っ最中の1988年──。以来、四半世紀以上にわたり、日本の夜の街を生きてきた。そんな彼女に接客を受けたことがあるという実業家に話を聞いた。
「30代の頃、歌舞伎町の老舗名門韓国クラブでチーママの一人として働いていました。現在のように髪は染めておらず、和服で店に出ることもあり韓国美人で通っていた。性格がキツいといわれる韓国女性にしてはおしとやかな雰囲気で、日本人受けする女性でしたね」
バブル崩壊後、許容疑者はいったんは新宿から姿をくらましたという。再会したのは数年前。知人の紹介で偶然、許容疑者が経営する店に案内された時だった。
「今度はオーナーママとして、すっかり貫禄がついていた。こっちに気付いて『気に入った女の子はいないかい?』と、店外デートを強く勧められました。報道では韓国クラブといわれていましたけど、実際はホテルへの連れ出し可能なデートクラブです。そこを彼女一人で仕切っていました」
店の表向きは1万円で飲み放題、歌い放題。しかし客は気に入ったホステスを決めたら店外デートに連れ出せるシステムとなっている。その料金はホテル代別で、2時間で3万円、泊まりなら6万円。美人のホステスも揃え、新宿では超有名店だったという。
「今回、当局が動いたのは情報提供があったから。許容疑者の生活保護のことも知っている元仲間で、今は他店で働くホステスが捜査に協力してくれた。背景には歌舞伎町を舞台にしたデートクラブの熾烈な競争があるそうです。もちろん、これらの店のほとんどは管理売春で当局の摘発対象です」(社会部記者)
石原都政下で浄化が進んだ歌舞伎町だが、夜の帳が下りればまだまだ闇は深い。
※週刊ポスト2013年6月7日号