国内

雅子妃殿下の適応障害の原因はマスメディアにあるとの指摘

 皇太子と秋篠宮の兄弟が「継ぐ者」と「支える者」という役割分担を果たせているかと言えば、必ずしもそうは見えない。その原因は、メディアの過剰報道にあると大原康男・國學院大學大学院客員教授が指摘する。

 * * *
 行き過ぎた皇室報道が始まったのは、平成5年(1993年)に『宝島30』が掲載した、大内糺なる仮名の「宮内庁勤務」を名乗る人物による皇后バッシングがきっかけだ。これに『週刊文春』が同調して同様の報道を続け、皇后陛下は精神的ショックから失声症を患われた。

 ところがマスメディアはこれに懲りるどころか、対象を雅子妃殿下に変え、「外国ご訪問の公務にしか参加されない」「愛子様にかかりきり」など執拗にバッシングを繰り返し、雅子妃殿下は「適応障害」と診断されるまでに至った。

「開かれた皇室」論なるものを振りかざすメディアが生んだ悪弊の一つと言えよう。

『新潮45』3月号での、宗教学者の山折哲雄氏の「退位論」や一部の週刊誌などでは、雅子妃殿下の適応障害が10年にわたって治療を続けても改善されず、それが原因で皇太子殿下もご公務をこなせないとして、「退位」を奨める。だが、この10年はまさに雅子妃バッシングの歴史に重なるのである。ご病気の原因を作ってきたのはマスメディア自身ではないのか。

 これらの批判報道では、皇太子殿下が雅子妃殿下に語ったとされる「一生、全力でお守りします」というお言葉を引き合いに出し、“家庭重視”のレッテル貼りをする。しかし皇太子殿下はご婚約に際し、「外交官も、皇太子妃も、国のために働くことでは同じ」と説得されたと伝えられる。両殿下が国のために働きたいと考えておられるのはこのお言葉からも推察できるが、メディアは「全力でお守りする」という部分だけをことさら強調してきた。

 さらに平成16年(2004年)のご訪欧前会見での「雅子のキャリアや人格を否定する動き」発言でも、皇太子殿下は「公務」という言葉を10回近くお使いになっている。その皇太子殿下が、ご公務をおろそかにしてよいなどと考えられるはずがない。

 今年2月のお誕生日に際しての記者会見でも皇太子殿下はご公務に関して、「国民統合の象徴であるとの日本国憲法の規定に思いを致して、国民と苦楽を共にしながら、国民の幸せを願い、象徴とはどうあるべきか、その望ましい在り方を求め続けるということが大切であると思います」と述べられた。興味本位の報道では、そうしたお言葉は全く紹介されない。

「被災地への訪問回数」などを比較して秋篠宮殿下のご公務が多いと言うが、そもそも秋篠宮殿下は皇太子殿下を補佐するのが役割であり、雅子妃殿下のご病気で皇太子殿下がご公務に就けないのであれば、その代行をするのはごく当たり前のことではないか。

※SAPIO2013年6月号

関連記事

トピックス

女優の広末涼子容疑者(44)が現行犯逮捕された
「『キャー!!』って尋常じゃない声が断続的に続いて…」事故直前、サービスエリアに響いた謎の奇声 “不思議な行動”が次々と発覚、薬物検査も実施へ 【広末涼子逮捕】
NEWSポストセブン
再再婚が噂される鳥羽氏(右)
《芸能活動自粛の広末涼子》鳥羽周作シェフが水面下で進めていた「新たな生活」 1月に運営会社の代表取締役に復帰も…事故に無言つらぬく現在
NEWSポストセブン
「居酒屋で女将をしている。来てください」と明かした尾野真千子
居酒屋勤務を告白の尾野真千子、「女優」と「女将」の“二足のわらじ” 実際に店を訪れた人が語る“働きぶり”、常連客とお酒を飲むことも
週刊ポスト
運転中の広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
《広末涼子の男性同乗者》事故を起こしたジープは“自称マネージャー”のクルマだった「独立直後から彼女を支える関係」
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
《病院の中をウロウロ…挙動不審》広末涼子容疑者、逮捕前に「薬コンプリート!」「あーー逃げたい」など体調不良を吐露していた苦悩…看護師の左足を蹴る
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(写真は2023年12月)と事故現場
《広末涼子が逮捕》「グシャグシャの黒いジープが…」トラック追突事故の目撃者が証言した「緊迫の事故現場」、事故直後の不審な動き“立ったり座ったりはみ出しそうになったり”
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン