「整形=特別な人がやる大手術」から、「レーザーでシミを消す」「ヒアルロン酸でしわを解消」とスキンケアレベルまで身近になった50年。美容医療は、これからの長寿社会に欠かせないケアのひとつになると語るのは高須クリニックの高須克弥院長。
「外科的な方法は50年間、ほとんど変わっていないんですよ」と、高須院長。開業した37年前は、まだ日本では美容医療が確立されておらず、整形手術は一部の特別な人が受けるものだった。
「当時はホステスさんや芸能人が、ハリウッド風美人顔になるためにオペをしました。その後30年ほど前から、切らずにパラフィンやシリコンを注入することで鼻などを高くする方法が始まりましたが、あまり広がりませんでしたね」(高須院長、以下「」内同)。
ところが2001年、雑誌・女性セブンで「メスを使わず、気に入らなければ元に戻せる、ナチュラル若返り」を“プチ整形”と命名して特集したところ、ヒアルロン酸やボトックス注入、糸で留めて二重まぶたにする(埋没法)などが一気に広がる。
「元に戻せる、というセーフティーネットができたことで一般の人も挑戦しやすくなった。また、『整形したと周りにバレずに、自然に若返りたい』という日本人の希望に合っていたんですね」
「現在、美容医療の現場はマシンや注入の技術がどんどん進化して、ますます“切らない”方向に向かっています。 50代、60代の人も『美人になりたいんじゃない、自然に若いころの顔に戻りたいんだ』と気づいて、クリニックに来るようになりました。だからぼくは『美容医療は老人医療だ』って言ってるの(笑い)。
医療は治療から始まって、豊かになると予防に向かいます。さらにこれからの長寿社会を楽しく生きるための“幸福医療”として発展し、美容医療はますます身近になっていくでしょう」
※女性セブン2013年6月6日号