打撃ランキングを見ると、トップに並ぶのは外国人選手の名前ばかり。セ・リーグでは横浜のブランコがシーズン60本を超える勢いで本塁打と打点の2部門をリードすれば、中日のルナは4割ペースで首位打者レースを引っ張る。
パ・リーグでも打率がマギー(楽天)、打点はラヘア(ソフトバンク)、本塁打はアブレイユ(日本ハム)とタイトルを狙える外国人選手が目白押し。各球団がことごとく「当たり」外国人を引いた今年、獲得の背景には何があったのか。
一昔前と比べ、外国人の獲得ポイントは大きく変わってきている。あるセ球団の編成担当者が語る。
「昔はとにかく大きいのを打てるかどうか、それだけだったんです。今は統一球の導入という理由もあるが、逆方向へ打てる技術があるかどうかが重要になってきましたね」
セの首位打者候補ルナは、その典型的な例だ。
「ドミニカ出身で、日本でプレーしていたフェルナンデスから、ウィンターリーグで日本野球に関するレクチャーを受けていたことが功を奏した。初球から逆らわないように打つ方法を心得ていたんです。外角のスライダーも決して引っ張らずにセンター返しで対応するので、安定した打撃ができている。実は彼は元々“投手と捕手以外ならどこでもOK”として売り込んでいたのですが、中日にとっては瓢箪から駒の買い物でした」(中日担当記者)
パの首位打者候補・マギーの成功理由も、逆方向へ打てる打撃フォームにあった。
「構えたときのトップの位置がピタリと決まっている。バットのヘッドが最短距離で出てくるため、変化球も苦にしない。その意味では巨人のロペスもある程度やれると思っていました。軸がブレなければ、楽にセンター返しを打つことができる」(パ球団編成担当者)
日本球界を賑わせる助っ人外国人といえば、そのほとんどが、大きな体で強振して打球をピンポン玉のように遠くへ飛ばすイメージだった。それが大きく様変わりしたようだ。
※週刊ポスト2013年6月7日号