昭和の時代の娯楽といえばテレビドラマ。一家に1台だったテレビの前に集まり、家族揃って泣いたり笑ったり…。翌日の学校の話題も「ねぇ昨日の○○見た?」からはじまった。
いつの時代も私たちの生活に彩りを与えてくれるテレビドラマについて、『美女か野獣』、『働きマン』などの脚本家・吉田智子さんと、毎クールすべての作品をチェックしているというテレビウオッチャー・カトリーヌあやこさんに、たっぷりと語ってもらった。
吉田:私が最初に夢中になった連ドラは『東京ラブストーリー』(1991年)かな。
カトリーヌ:どのあたりがよかったですか?
吉田:セックスを含め、女性が男性に積極的にアプローチしていくキャラクター設定が非常に新しく感じました。以来、ドラマの主人公に強い女性が増えたと思いますね。
カトリーヌ:1988年の『君が嘘をついた』がトレンディードラマの始まりなんですけど、『東京ラブストーリー』はトレンディードラマというか月9の礎みたいな存在ですよね。鈴木保奈美の「カンチ、セックスしよ!」というセリフも衝撃的。1ドラマに1セリフぐらい印象に残るセリフがありましたね。『あすなろ白書』(1993年)では、キムタクの「おれじゃダメか?」とか。最近は、キメゼリフって意識されていますか?
吉田:印象的でキャッチーなセリフは毎回の課題です。たとえば『ガリレオ』(2007年)では、福山雅治が必ず「実に面白い」と言いますが、お決まりのセリフを視聴者の印象に残すというのはひとつの手法です。ほかに、主人公のキメポーズを要求されるときもあります。そんなふうにドラマに漫画っぽい要素が加わったのは『ショムニ』(1998年)からかな。カメラ目線で笑いをとるみたいな。
昔『スチュワーデス物語』(1983年)や『スクール・ウォーズ』(1984年)といった泥クサい大映ドラマがあって、月9の時代が来て、次に『ショムニ』など“共テレ(制作会社の共同テレビジョン)路線”といわれるドラマが流行って…。その流れで『ごくせん(2002年)も漫画っぽい雰囲気ですよね。
カトリーヌ:『ごくせん』もそうですが、日テレのドラマって必ず倉庫が出てきて乱闘が始まるんです。今クールの『35歳の高校生』(2013年)に倉庫が出てこないなあ…と思っていたら、5話で出てきて。なぜかホッとしました(笑い)。
※女性セブン2013年6月13日号