タラップから下りてくる2人の姿をみて違和感を覚えた関係者は多かった。
「あれ? あの2人が手を繋いでいない!」
2006年の安倍前政権時、おしどり夫婦ぶりをことさらにアピールしていたのが安倍晋三・昭恵夫妻である。その象徴が外遊時の手つなぎ姿。首相と腕を組んで歩き、各国のファーストレディと対等に会話する姿は“ヒラリー流”とも称された。
しかし、第二次安倍政権における外交活動が本格化したこのたびのGW──外遊先で、「手つなぎ」なしで降り立った2人。番記者たちはこう訝った。
「もしやあの飛行機に響き渡ったアッキーの絶叫に原因があるのでは?」
外遊する際、番記者たちは政府専用機に総理とともに同乗しているが、通常、両者の距離は遠い。だが、それは機中でウトウトしていた番記者たちの眼をハッと冷ますほどの大声だったらしい。番記者の一人はいう。
「みんな聞き耳をたてていたが、さすがに詳しい内容まではわからなかった。だけどそのトーンは、まさに夫婦ゲンカのそれでした。とはいえ手つなぎまで拒否するとは……」
夫婦ゲンカなんて、どの夫婦にだってある。本来なら一笑に付すべき話である。だが、政府専用機の中で、となれば異常事態。ことアッキーに関しては、「最近、好き放題やりすぎじゃないか」との声が聞こえてくる。遂に安倍首相の堪忍袋の緒が切れたのではないか、と皆が心配するのだ。
韓流ミュージカルを鑑賞し、「楽しかった」との感想をフェイスブックに書き込んで炎上したのは記憶に新しい。日韓の緊張高まるなか、「首相夫人として軽はずみな行動だ」との批判が相次いだのである。アッキーもアッキーで、「批判覚悟で載せました」と返し、火に油を注ぐから周囲もひやひや。官邸内では今後、フェイスブックを控えるようにという声も多く出たというが本人はどこ吹く風だ。
3月末のモンゴルへの外遊中、政府専用機の内部をまたもフェイスブックにアップしたと思えば、4月末の訪露の際は公用車で移動中の安倍首相の横顔をパシャリ。もはや官邸関係者もあきれ顔である。
「首相の行動予定や記録はネットから筒抜け。機内や車中の様子をアップするのも、テロ対策上やめてほしい。でも、首相のお咎めがないから、我々は何もいえません。いまや昭恵さんを縛るモノは何もありませんよ」
最大のアベノリスクは昭恵夫人だ──最近、永田町界隈ではこんなジョークすら飛び交っている。
※週刊ポスト2013年6月14日号