昭和の時代の娯楽といえばテレビドラマ。一家に1台だったテレビの前に集まり、家族揃って泣いたり笑ったり…。翌日の学校の話題も「ねぇ昨日の○○見た?」からはじまった。
いつの時代も私たちの生活に彩りを与えてくれるテレビドラマについて、『働きマン』などの脚本家・吉田智子さんと、『サマーレスキュー』などの脚本家・秦建日子(はたたけひこ)さん、に、語ってもらった。
吉田:最近は本当に漫画や小説など、原作のあるドラマが増えましたよね。もちろんおもしろいし、素晴らしいコンテンツだと思いますが、頼りすぎな感じも否めない。反省点だと思います。あ、秦さんにお聞きしたいんですけど、小説をお書きになったアンフェア(2006年)はどうしてご自身で脚本を書かなかったんですか?
秦:小説とドラマって文法が違うので、どうしても原作をいったん壊さなければいけない。でも、アンフェアの原作の『推理小説』(河出書房新社)は処女作の小説なので、うまく壊せない予感がしたんです。
小説のタッチに固執してテレビドラマとしての再構築があまりうまくいかないんじゃないかって。それよりは第三者に1回バッシーンと壊してもらって、作り直してもらったほうがいいと思いました。放送が始まってドラマを見たときは「あ、こうなったんだ」と新鮮でした。
結局、原作は第4話ぐらいまでしか使われていなくて、第5話から脚本家のオリジナル。だからプロデューサーさんに犯人を教えてもらったときは、「ええ?」って驚いたり(笑い)。おもしろかったです。
※女性セブン2013年6月13日号