今年は例年より梅雨入りが早いのだとか。沖縄・奄美地方に続き、九州、四国で梅雨入りし、いよいよいやーな季節に突入…それと同時に一気に増殖するのが、ダニだ。
高温多湿の梅雨はそもそもダニが増殖する時期。さらにここ20~30年で室内のダニの数は3倍に増えたと、日本ペストコントロール協会副会長で農学博士の平尾素一さん。
「建築様式が変化し、コンクリート造の建物が増え、気密性が高い部屋が増えました。また、絨毯を敷く、断熱性の良い壁、冷暖房完備など室内様式も変化し、虫干しや衣替えといった、ダニ退治に一役買っていた生活様式が廃れたのも理由のひとつです」
さらに、共働きの増加で家に不在のため室内換気が減少し、洗濯物を夜に室内干しするなど家事の様式も“ダニ好み”に変化。観葉植物を飾るのも、ダニ増殖の原因なのだ。
撃退・予防に必要なのは、風通し、掃除、洗濯だが、都市居住環境研究所所長の吉川翠さんはこう言う。
「ドアの開け閉めやベッドメーキングなど、家で“きっちりしすぎ”な人も、ダニを増やす可能性が。ときには“ズボラ”な行動が、ダニを予防することも」
起きてすぐのベッドメーキングはNGだ。寝具はフケや垢などダニのエサが豊富な“住処”。「特に寝汗で湿った敷き布団はダニが増殖しやすい。起床後すぐにベッドメーキングすると湿気や熱がこもってダニが増殖するので、30~40分は布団を跳ね上げたままに」(吉川さん)。起きてすぐ布団をたたみ、押し入れにしまうのも×。
20階以上の高層住宅にもダニはいる。「窓を開ける頻度が少なくなり、室内湿度が高く保たれ、普通なら乾燥で冬に死滅するダニが生き延びるので、初夏から夏に向けて増殖する傾向にあります」(吉川さん)。
布団は羊毛・羽毛はいいが、化繊と綿はダメだという。
「羊毛や羽毛布団の場合、毛が出ないよう高密度繊維に近い生地で包んであるため、表面だけ掃除機をかければOK。化繊と綿の布団は、中までダニが潜んでいるので、よく干して吸引力の強い掃除機をゆっくりかけて」(吉川さん)
※女性セブン2013年6月13日号