アッキーこと安倍晋三首相の昭恵夫人の暴走が止まらない。日韓関係が微妙な時に韓流ミュージカルを鑑賞し、「楽しかった」との感想をフェイスブックに書き込んで炎上したのは記憶に新しい。
3月末のモンゴルへの外遊中、政府専用機の内部をまたもフェイスブックにアップしたと思えば、4月末の訪露の際は公用車で移動中の安倍首相の横顔をパシャリ。危機管理上の懸念の声もあがる始末だ。
そんなアッキーだが、「民主党政権のファーストレディより、愛嬌がある分、まだまし」との声があるのは事実だ。脳裏に浮かぶのはやはり鳩山由紀夫元首相の幸夫人だろう。政治ジャーナリストの山村明義氏はいう。
「幸夫人のSFや占い好きは有名でオカルト趣味に首相までも流され、国益を害するような局面すらありました」
民主党政権発足後、最初の躓(つまず)きとなった普天間基地の沖縄県外移設騒動も夫人が信奉する占い師からの助言があったのでは──なんて怪情報も飛び交った。
「幸夫人の中韓びいきも有名で、鳩山さんの『日本列島は日本人だけのものじゃない』といった発言や東アジア共同体構想などの現実味のない諸政策にも影響を与えていたと思います」
幸夫人は、大手紙のインタビューに登場すれば「私の元気の源と言えば、太陽なんです。太陽のすごいエネルギーをパクパクっと食べるの。みなさんもおやりになってみませんか」(2011年4月19日付 朝日新聞)などと珍説を展開する始末。
しかし、続く菅直人元首相の伸子夫人も毀誉褒貶が激しい。「政策に首を突っ込む猛女」(山村氏)で、菅政権最大の決断とされる「浜岡原発稼働停止」も夫人の進言があったとされる。
また伸子夫人といえば、夫が首相に就任するや、『あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの』(幻冬舎刊)を上梓して話題となった。ノンフィクション作家の大下英治氏はいう。
「毎夜、菅さんと口角泡を飛ばして政治議論をするような人でねぇ。時には自宅に来る政治家に議論をふっかけたりしていましたよ。マスコミを前に小沢批判を行なったこともある。まぁ、その意欲は買うけど、中国に『メンドリが鳴くと国が滅びる』といった諺があるんですがね、まさにそういう人ではなかったかと思います」
いまのところアッキーの暴走には実害が出ていない様子。幸夫人、伸子夫人の轍を踏まぬよう、時には、ご自重も必要かと。
※週刊ポスト2013年6月14日号