出産前に胎児の先天異常の有無を診断する「出生前診断」の是非が論議を呼んでいる。先天異常の原因はさまざまで、最も多いのは「原因不明」のものだが、染色体異常による先天異常については、女性の出産年齢が高くなるほどリスクも高まることがわかっている。
例えば「ダウン症候群」の発生頻度は、妊婦が20歳の場合1527人に1人にすぎないが、35歳では356人に1人、40歳では97人に1人と、加齢とともに増加する(出典・『産婦人科診療ガイドライン──産科編2011』)。
だが、高齢妊娠によるリスクは、なにも女性だけのものではない。
「アメリカのマウントサイナイ医科大学の研究によると、父親が40歳以上で生まれた子供は、30歳未満の父親から生まれた子供に比べて、自閉症などの症例を持つ割合が5.75倍高いと報告されていいます」(国立成育医療研究センター不妊診察科の齊藤隆和医師)
※週刊ポスト2013年6月14日号