横浜DeNAベイスターズの主将・石川雄洋に、捲土重来のチャンスが巡ってきた。主将2年目となった今年は、開幕から『1番・ショート』で好調をキープ。ラミレスが2000本安打を達成した4月6日のヤクルト戦では、逆転3ランを放ち、「試合前のミーティングでは『ラミちゃんのために勝とう』とみんなにいったので、よかった」とキャプテンらしくチームを引っ張っていた。
だが、4月下旬に調子を落とし、7番に降格。それでもスタメンを張り続けたが、一向に状態は上がらず、5月24日に出場選手登録を抹消された。
故障以外では5年ぶりとなる石川の二軍落ちに関して、中畑清監督は「不調だとふてくされてベンチにいる。そんな選手は許さないし、このままだとずっと使えない。主将を取った方がいいかもしれない。最初は一生懸命、円陣を組んだりしていたけど、いつの間にかやらなくなった。今じゃあ輪の中にすら入ってこない」と説明した。
二軍降格後、主に二塁で起用され、なかなか調子は上がってこなかったが、6月6日の西武戦で5打数4安打の固め打ち。二遊間の人材不足に悩むチーム事情もあり、6月8日から一軍に復帰した。スポーツ紙記者はこう解説する。
「ラミレスやモーガンは出場できなくても、常にベンチで声を出して盛り上げているし、良いプレーをした選手がいれば真っ先に祝福に行く。守備の回が終われば、ベンチを飛び出し、ねぎらいにいく。日本でこれだけ実績のあるラミレス、メジャー経験も豊富なモーガンは内心忸怩たるものがあると思いますが、そのような不満を一切、外に見せていない。
それに比べ、石川はベンチでも2列目にいて、ガムを噛みながら、もたれかかっている。それらの行為自体が悪いかどうか以前に、チームメイトに与える印象は決して良くなかった。再昇格でそのような態度が出てしまえば、トレード候補にもなってしまうでしょう。石川にとっては、ラストチャンス。もともと、能力のある選手ですから、復活を期待したいです」
現在のDeNAは、主に二塁・内村賢介、遊撃・山崎憲晴がスタメンに名を連ねているが、ともに打率は2割台前半とイマイチ。過去に3割近い成績を残したことのある石川の復活が待たれる。