中国の習近平・国家主席が中米3か国および米国歴訪の最初の訪問国、トリニダード・トバゴの首都・ポートオブスペインの国際空港に到着した際、習主席のファーストレディ・彭麗媛さんに対する行動がネット上で大きな話題になっている。
習主席一行がポートオブスペインに到着したのは5月31日午後7時過ぎ。折悪しく雨が降っていたが、習夫妻は雨中にもかかわらず満面の笑みを讃えて、飛行機のタラップを降りてきた。
習主席は黒い傘をさしていたが、彭麗媛さんは傘を持っていない。当然、習主席が左側の彭麗媛さんの方を傘をさしかけていると思いきや、習主席は右手に傘を持ったままで、妻に傘をささなかった。彭麗媛さんは雨に濡れたまま、タラップを降りる羽目になった。
香港メディアなどはそのときの映像や写真で、習主席だけが傘で雨を避け、彭麗媛さんを気にしていない様子を解説し、「仮面夫婦の正体見たり」(中国ニュース専門サイト「博訊( ボシュン)」)と報じたのだ。
実際、習夫妻の関係は冷め切っており、仮面夫婦との情報は以前からあった。習主席は廈門市副市長だった1986年末に彭麗媛さんと初めて会った。習氏は離婚歴があたが、すぐに2人の愛の炎は燃え上がり、ほぼ半年後には周囲の反対を押し切って電撃結婚した。
『習近平の正体』(小学館刊)との著書をもつジャーナリストの相馬勝氏によると、習主席の名前が中国で知られるようになったのはここ数年のことだが、彭麗媛さんは当時すでに数々のヒットを飛ばし、中国で知らない者はいないほどの超有名歌手。
いまでこそ、習氏は中国の最高指導者で、彭麗媛は「習近平の妻」としてファーストレディを務めているが、結婚当初から20年以上も、習氏のほうが「あの彭麗媛の夫」と呼ばれる関係だった。
そのような「逆玉(の輿)婚」では、彭麗媛さんの方が夫の習氏よりも発言力が強くなるのは明らか。さらに、彭麗媛さんは国内外での公演が多く、地方暮らしの習氏とはすれ違いになり、関係は完全に冷めていったという。
「習氏はすでにバツイチで、バツ二になれば、外聞が悪い。彭麗媛さんもスターだけに、個人的なスキャンダルは避けたいというわけで、2人とも同じような事情を抱えていた。さらに、2人の間には一人娘の習明沢さんがおり、これも離婚に踏み切れなかった大きな原因となっている」と相馬氏は指摘する。
結局、仮面夫婦のまま、ここまできたわけで、いくら仲良く装っても、ちょっとした動作に真実が現れるということを今回の事件は物語っているといえそうだ。